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野生環境下で育まれた耐性遺伝子を宿す野生果実を食卓に

私たちは植物によって生かされています。動物も微生物も例外ではありません。人は穀物や野菜の命をいただき、草根木皮は薬となりました。植物は古代から幾人の人々を養い続けて来たのでしょうか。少なくとも半世紀前までの作物には「古代のカシス」のように野生植物の持つ耐性遺伝子が受け継がれていました。つまり天候異変に耐え、病害虫にも耐性を持っていたのです。祖先から、親から子から命の継続には『耐性遺伝子』を宿した頑健な作物を日常的に体に摂りいれることが必要です。
半世紀前には本物の作物しかありませんでした。今は急速に農業の危機が訪れています。自然界では弱い遺伝子の植物は発芽もできず、また発芽しても育つことは出来ません。しかし近代農法で、は耐性遺伝子を失ったひ弱な種子も全てが発芽させられています。ハウスなどで季節外れに収穫された作物は古代からのリサイクル農法の作物と成分を比べると殆どの栄養は半減し、野菜は色や形だけ美しい抜け殻になっています。量の確保と見た目の良さ、流通を含めた経済のためです。近代農法は配合肥料による過剰栄養や細胞毒である農薬の使用で、植物に備わった耐性遺伝子の退化をもたらしました。作物に自力で生きる力は不要になったのでしょうか?薬剤で酸化した土壌からはミネラルも微生物も失われ、作物に健康をもたらす力は期待できなくなってきたのでしょうか。
「古代のカシス」は秘境であるがゆえに人の手から隔絶されてきました。野生の耐性遺伝子をかたくなに維持しています。寒さに負けたもの、夏の日差しや病害虫に負けたものは枯れて土に戻り、強いものだけが自然の摂理通りに生き残り実を実らせることが出来きたのです。一日一度は野生の力を食卓に上らせたいものです。